台湾を代表する映画監督のホウ・シャオシェン(侯孝賢)、著名な撮影監督のリー・ピンビン(李屏賓)、国宝級の映画編集技師・リャオ・チンソン(廖慶松)、音楽家のリン・チャン(林強)、女性俳優のスー・チー(舒淇)らが名を連ねる、台湾ニューシネマの代表作。サウンドデザインを担当したトゥ・ドゥーチー(杜篤之)はこの作品でカンヌ国際映画祭の技術賞を受賞しました。今回上映されるのは、杜篤之の提供によるファイナルミックスのサウンドトラックを使用したデジタル修復版。色彩とサウンドがさらに豊かになり、ミレニアム初頭の公開当時の衝撃的な美しさが完全に再現されています。
物語が映し出すのは20世紀末の台北。街全体が新ミレニアムを迎えようと熱狂していた頃、ハオの荒々しさに恋していたヴィッキーは、同時にガオの優しさにも惹かれていました。恋の渦に呑み込まれた彼女は、呪文や催眠術にかかったように、逃げたくても逃げられません。手持ちの残り50万元を使えば、答えが見つかり、もう一度始めからやり直せるのかもしれなくて…。