その時イタリア留学から台湾に戻ったばかりの名監督、白景瑞の初監督作品です。 セリフを駆使して物語を進めるのではなく、「フェイクドキュメンタリー」の手法を用い、動きと映像によって台北の様子を構築しています。なので、我々は闇夜のネオンが次第に朝の光に飲み込まれたり、街の夜明けを吐き出したり、昼の光が視野を広げたりする光景が見られます。1960年代の台北の公園、教会、市場、紡績工場、電気通信局を巡り、自転車に乗っている新聞配達の少年が投げ出す新聞を辿りながら、ホワイトカラーの核家族のモーニングに入っていきます。
このとても実験的な作品は時の試練に耐えてきました。
2019年、音楽家の林強がさらにこのサイレント作品のために作曲しました。エレクトロのビートと様々な実験的なリズムで、現代的な精神が過去の台北の風景と融合し、こういったクロスメディアの対話が台北の生き生きとした印象を描き出しています。