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マジカル台湾——台湾文学展
展示

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内容紹介

「爾來了(あなたはここへ来た)」——マジカル台湾・文学の魂

 

台湾は山林と野原、都市と海が凝縮した島で、さまざまな魔法の伝説が根付いています。また、東アジアの島々を横切り、ユーラシア大陸と太平洋を結ぶ島でもあり、世界各地から伝わった文化や想像力が融合しています。

 

例えば、台湾文学の一つである台湾版の「怪談」の行間には、神、幽霊、精霊、妖怪などの存在が浮かび上がってきます。今、台湾の妖怪や幽霊たちは、文学作品を通じて、2025年のお盆にひっそりと侵入してきます。

 

日本のお盆期間に開催される「マジカル台湾——台湾文学展」は、夏に怪談を話すという日本の習わしに呼応し、魔法や超自然、神、幽霊などの観点から台湾の文学作品を紹介します。展示会の名前は台南にある城隍廟の有名な額「爾來了(あなたはここへ来た、という意)」に由来し、台湾の民俗色を色濃く放っています。言葉を通して日本へ渡ってきた台湾の神々の集いにどうぞ参加してください。「台湾原住民文化」「日本文化の影響」「台湾民俗再発掘」「現代大衆文学」「文学小説」「詩の中のマジック」という6つの展示エリアで、台湾の神々や妖怪たちの足跡を辿りながら、さまざまな時代の台湾文学の新しい一面を感じてみましょう。

注意事項
  1. 展示は自由にご覧いただけます。申込みは不要です。
  2. 講演会にご参加いただくには、LINEによる事前申込みが必要です。
クリエイティブチーム
台湾文学館 National Museum of Taiwan Literature external link

台湾文学館は台湾初の国家レベルの文学館で、建物自体が国家古跡であり、1916年に落成し、当時は日本時代の旧台南州庁でした。 戦後、同建築は空軍補給司令部と台南市政府の事務所として使用されていました。台湾文学に関する約13万点の遺物や歴史的資料を収集、保存、研究しているほか、展示や活動、教育を通じて文学をもっと大衆の身近にさせ、文化の発展を図っています。 また、台湾文学館は台北の中心部に台北分館を設置しています。

チーム

Exhibition Director|ART HAPPENING LTD.

Literary Consultant|CHU Yu-Hsun

Artist|Chiaos、CHEN Wei-Hsuan

講演|鬼と神の声を聞く――歌詞から物語へ、文学が奏でる音
内容紹介

日時:8/10(日) 14:00-16:00  
会場:大阪市中央公会堂 B1F大会議室
対談者:張嘉祥(チャン・ジャーシアン)× 朱宥勳(チュー・ヨウシュン)

 

張嘉祥は『夜官巡場』を創作の核とし、地域信仰や鬼神文化を台湾語による語りと融合させ、庄(日本の「村」に相当)に根ざした霊異的な世界観を構築しています。本講演では、長年「朱宥勳、歌詞を聴く」シリーズを制作してきた作家・朱宥勳と張嘉祥による対談を企画しました。「歌詞を文学の一形態として扱う」ことを出発点に、歌詞中の音のリズムや語りの手法、イメージ構成などについて語り合います。

 

さらに、「音」・「言語」・「地域文化」がいかにして台湾の現代妖怪文学の一部となっていくのかを探ります。地方怪談から音によるパフォーマンスに至るまで、台湾の地域文学はいかにして多様なメディアを通じ、鬼や神の物語を紡ぎ出していくのかを両氏が皆さんとともに考え、本展のテーマである「妖怪」と響き合うような対話を展開していきます。

注意事項
  1. LINEで事前の申し込みが必要。https://page.line.me/439uedtv
  2. 日本語⇔中国語の通訳がつきます。
  3. 講演時間は約2時間(途中休憩なし)を予定しております。
  4. 講演中の撮影・録画・録音はご遠慮ください。
クリエイティブチーム
張嘉祥(チョウ・カショウ)

国立東華大学華文文学科卒業。
現在は台湾師範大学台湾文学研究科に在学中。嘉義県民雄出身。火焼庄の張炳鴻氏の孫。

文学創作や音楽制作、作曲、Podcastのパーソナリティなど多方面で活躍。庄尾文化音声工作室の代表者。また、台湾語インディーズバンド『装咖人Tsng-kha-lâng』のリーダーやPodcastの番組『台湾熱炒店』のパーソナリティも務めている。

2021年にはアルバム『夜官巡場Iā-Kuan Sûn-Tiûnn』をリリース。第33回金曲賞の最優秀新人賞にノミネートされた。台湾文化部より、2021年度青年創作奨励、青年芸術育成補助、言語友善環境および創作応用補助などが授与された。

著書には、『夜官巡場Iā-Kuan Sûn-Tiûnn』や『我城我鎮:走入台湾十二座小城的故事』(呉緯婷・張嘉祥ほか共著)などがある。

朱宥勳(シュ・ヨウシュン)

1988年生まれ。清華大学台湾文学研究科修士課程卒業。現在は専業作家として活躍。

著書は、『以下證言將被全面否認(以下の証言は全面否認される)』『學校不敢教的小說(学校では教えない小説)』『暗影』『作家生存攻略』『文壇生態導覽(文壇生態ガイド)』『他們沒在寫小說的時候(彼らが小説を書いていないとき)』などがある。

講演|神と獣のはざまで:台湾ファンタジー文学と児童小説に見る魔魅のイメージ
内容紹介

日時:8/16(土) 14:00-16:00 
会場:大阪市中央公会堂 B1F大会議室
講演者:邱常婷(チウ・チャンティン)


多様な民族が交錯する台湾では、民間伝承、原住民族の神話、地方の奇談など、豊かで独特な視点から描かれた物語が数多く存在します。現代のファンタジー文学や児童文学では、そうした要素を継承しつつ、新たな要素も取り入れられています。

 

本講演では、台湾の民間信仰、動物、妖怪にまつわる伝説を手がかりに、台湾ファンタジー文学や児童小説に描かれる魔魅のイメージについて考察します。

注意事項
  1. LINEで事前の申し込みが必要。https://page.line.me/439uedtv
  2. 日本語⇔中国語の通訳がつきます。
  3. 講演時間は約2時間(途中休憩なし)を予定しております。
  4. 講演中の撮影・録画・録音はご遠慮ください。
クリエイティブチーム
邱常婷(チウ・チャンティン)

1990年春生まれ。東華大学華文所創作コース修士課程卒業。卒業後は友善書業合作社に勤務。現在は台東大学児童文学研究科博士課程に在学中。

これまでに、聯合文学小説新人賞最優秀賞、教育部文芸創作賞、金車(King Car)ファンタジー小説賞、林栄三文学賞などを受賞。また、文化部芸術新秀補助、青年創作補助などの支援を受けている。

また、『聯合文学』雑誌にて「最も期待される若手華語小説家20人」に選出されたほか、2024年フランス・リヨン第三大学の「光点プロジェクト」、英国セントラル・ランカシャー大学の台湾文化フェスティバルにも招かれた経歴がある。

著書には、『怪物之鄉』(中国語簡体字版権売却済)、『天鵝死去的日子(白鳥が死んだ日)』(2019年フランクフルト・ブックフェア台湾セレクション出展作品)、『夢之國度碧西兒(夢の国ビシエル)』(第41回小中学生推薦図書に選出)、『魔神仔楽園』、『新神』(2019年Openbook優良書賞を受賞・Books from Taiwanプロジェクトにて推薦される)、『哨譜』などがある。

2021年には『斑雀雨』で九歌年度小説賞を受賞。
最新作としては、長編ファンタジー小説『獣霊之詩』(第1回台湾書店大賞第2位に選出)や、児童小説『紅衣小女孩(赤い服の少女)』が刊行されている。

講演|残酷さを映す純真な眼差し――台湾マジックリアリズムの書き方
内容紹介

日時:8/17(日) 14:00-16:00
会場:大阪市中央公会堂 B1F大会議室
講演者:甘耀明(カン・ヤオミン)

 

甘耀明の小説は、台湾のマジックリアリズムの代表作だと評されています。彼の作品は童話的な語り口のなかに、歴史・暴力・人間性への深い洞察が込められています。本講演では代表作『鬼殺し』を起点に、いかにして幻想的なタッチで第二次世界大戦や二・二八事件、白色テロといった台湾の歴史的記憶を描いているのかに迫ります。また、荒唐無稽な変容と幻想によって、大人の世界や社会の傷をどのように見つめているのかを読み解きつつ、文学が記憶や癒しにどのような役割を果たすのかを考察していきます。

注意事項
  1. LINEで事前の申し込みが必要。https://page.line.me/439uedtv
  2. 日本語⇔中国語の通訳がつきます。
  3. 講演時間は約2時間(途中休憩なし)を予定しております。
  4. 講演中の撮影・録画・録音はご遠慮ください。
クリエイティブチーム
甘耀明(カン・ヨウミン)

東海大学中国文学科、東華大学創作および英語文学研究科卒業。劇場脚本家、記者、中学校教師を経て、現在は専業作家として活躍。

これまで著した作品は、『神秘列車』、『水鬼學校和失去媽媽的水獺(水鬼の学校と母を亡くしたカワウソ)』、『鬼殺し』、『喪禮上的故事(葬式での物語)』、『沒有圍牆的學校(塀のない学校)』などがある。

また、かつて中国時報「開巻」年間ベストブック賞や台北国際ブックフェア大賞などを受賞。

これまでに、静宜大学や慈済大学で作家として招聘されたほか、曉明女子高級中学では特約作家も務めた。現在は静宜大学「文思診療室」の常駐作家として活動するほか、「千樹成林」や「快雪時晴」といった児童向け創作文クラスの講師も務めている。