変化の激しい時代の中で、過去はそう遠くなく、未来はまだ形成されておらず、私たちの身体と記憶はその間を行き来しています。
VR360 作品上映プログラム「未来への遺産」は、VRを使った没入型映像により、記憶・家庭・孤独・未来といった多次元を旅することで、言語化が難しいものの、消し去ることのできない感情の痕跡を感じられる作品です。4つのテーマを通じ、時の流れの中で浮遊する人間の姿をさまざまな角度から探求します。廃墟や故郷の喪失から始まり、肉体的・精神的困難を見つめ、記憶とアイデンティティを再編成し、最後には未来の残像と可能性の想像を投射します。各場面は独立しながらも相互に関連し、未完成でありながら無視することのできない「未来のイメージ」を形成しています。
このプログラムでは、台湾の VR360 作品10点を厳選。「パノラマ視点」と「身体的存在感」という特性を通して、鑑賞者の感覚を呼び起こし、物語の場面へと誘います。VR360度の空間性と流動性により、「記憶の名残」、「故郷のかけら」、「自己と他者との境界」を見たり、聞いたり、新たに想像したりすることができます。単に映像を見るだけでは得られない、実際に過去、現在、未来と一度に対話しているような体験です。